敬称略
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市民活動支援センターのこれから・・・・・三者シンポジウム
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早瀬
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南部では大阪狭山はかなり早くから支援センターがつくられていますが、どんな思いで立ち上げられたかをお聞かせください。
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市長
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地方分権という言葉がありますが、平成12年に地方分権一括推進法が施行され、国でしている仕事を地方に回す仕組みが進行しています。他方、2007年問題があります。2007年に日本の人口が減少に転ずる、もうひとつこの年に団塊の世代が退職してきて超高齢社会が訪れてきます。
そういった時期には市民活動が必然的になくてはならない位置づけになってきます。したがって早い目に切り替えが効くように、このようなセンターの充実を図ってきたわけです。市役所がしていることを、今度は地域の住民がする。
地域で市民が何を求めているかを一番良く知っているのは市民です。 自分たちでできる方向の意見を出してもらうことが必要です。 そのような情報の接点として、支援センターにふらりと立ち寄る、こんな役にたつ情報があるよ・・そんなマッチングの発信をこのセンターでどんどんしていただき、ネットワークの拠点としたいと期待しています。
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早瀬
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この支援センターの運営を受けられたのが、大阪狭山市熟年いきいき事業実行委員会だそうですが、その流れで林田さんどんな手ごたえがあるのでしょうか。
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林田
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冒頭に市長からご挨拶がありましたように、この4月から公設民営の形で市民の方に委託することでお受けしました。熟年いきいき事業は4年半前に生まれ、その中の大きな活動は熟年大学で、現在は330名の生徒が勉強中ですが、熟年いきいき事業に足を突っ込んでこられた方はおおかた2000名になります。
支援センターは今年から受けたわけですが、結局「熟いき」の人が多いのですが、これからは、若い世代の人にもどんどん入っていただこうと思いますし、市民の活動を支えるという施設ですから、中身も市民がつくってゆくのが基本的なベースだろうと思います。そこが公設公営と公設民営の違いと考えますので、今年の3月までのセンターと一味違うセンターになる必要があると思っています。
じゃ、何ができるかは、やはり公ではできなかったことを、民でひとつずつ積み上げていったらどうかと思います。コピーとか印刷機の利用料金も値下げしましたし、機械力の増強もいたしました。 市長が期待されるような、いろいろな市民活動をするための機材等を取り揃えていただきましたので、これからここで活発な活動が始まると思います。
ほんとの汗をかいてボランティアをされている方をつぶさに拝見しますと、まだまだ勉強が足りないなと感じます。 4月からの準備期間でいろいろな方にもお目にかかって、手探りから新しいものの誕生への、いよいよ具体的な計画をこれから組んでゆこうという段階です。
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早瀬
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今日お配りした資料に、中間支援組織の必要を書いたレジメがありますが、仲介機関がない場合、自分に合った団体をお互いが探すのはとてもややこしいのですが、中間支援組織があるとすっきりする、これをTransaction costと言い、わかりやすい関係になります。 市場を整備することになり、民間は市場に向いており、それは価値観の多様性を守るからです。
民間の良さは多様性です。多様な活動をしていて、多様は市民が繋がりあうには、市場を作ればいいのです。 補助金をつければいいのではありません。いかに様々な近隣の支援市場に関する情報がここに集まるかが問題です。
社会福祉協議会のボランティアセンターは全国のすべての自治体にあります。2800くらいの自治体があるでしょうか。 ところが、最初は民間が先行しました。
民設民営は大変です。 公設公営はあることはありますが、全体の主流は公設民営です。 その数はどんどん増えています。したがって支援センターの名簿を作るのは大変な作業です。
大阪狭山市の市民活動支援センターも全国の大きな流れの中に位置づけられていることがお分かりと思います。
その中で林田さん、こういう点がなかなか大変だなと気付かれていることがありますか?
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林田
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やるべきことは、市長ご期待のように、場作りであり、ネットワークづくりだと思います。 具体的にどのように進めたらよいかが悩ましいところです。 我々の市民ボランティアとしての経験の浅さからくるものでしょうが、不慣れな点もあり、今正直告白すると、自らの力をつけることと、一人でも多くの方に頼りにされるセンターにしなければならないとの両絡みです。
現在いるスタッフは、それぞれの会社生活では充分プロとして、個々の分野ではマネージメント力もあるし経験もあるのですが、支援活動をコーディネイトするとかの形の経験はまだ不慣れですので、その辺が一番悩みの多いところかなと感じています。
結局はひとつひとつテーマを絞って専門性を高めて行く必要があり、一方で市民の皆さんからも、もっといろいろな情報を寄せていただき、気安く立ち寄って頂くといいのですが、先ほど先生のご説明の繋ぎのところが、まだ材料に乏しいのが現状かと思います。
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早瀬
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実は大阪ボランティア協会では、市民センターのスタッフになる為の研修を開いていますが、教科書があるわけではありません。 各論をやっている感じで大変なんですが、今の林田さんのお話を聞かれて、市長その点いかがですか?
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市長
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「熟いき」にどうしてここをお任せすることになったか・・の経緯ですが、昨年一般公募して三団体から応募がありました。 市民委員二名を含む審査会の審査の結果熟いきになった透明な選択をしました。
林田さんが仰った市民活動の不足からの不安については、全然心配していません。 そもそも市民活動は、それぞれの団体が専門性をもった活動ですから、いろいろなことを知っている団体はほとんどない筈です。 それは役所の仕事ですから、そこに役所と市民ボランティアとの協働が必要となるわけで、役所はオールマイティに情報もつかんでいますが、市民団体は専門性を持った活動しているわけで、そのことだけで支援センターに能力の差がでるとは考えません。
むしろ、「熟いき」の方々は、それぞれ組織のなかで、長年人間関係、経理、あるいはマネージメントに経験された方ですから、コーディネイトする力は、民間のなかで沢山経験されています。
むしろ若くからボランティア一本でこられた方より、マネージメント能力の点では優れた点をお持ちなので、「熟いき」に決まったことで何も心配はしていませんしむしろ期待をしているところです。 自ら力をつけることと林田さんは仰いましたが、それらの新たな分野では、市民活動をされておられる方との交流を通じると力になってきますので、多少時間がかかっても仕方のないことと思っています。
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早瀬
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理解をもってエールを発信されておらるのはいいことですね。
実際は、運営スタッフの研修なども大変でしょうし、あと情報が集まってくるのは、言うほど簡単ではありません。 ネットワークはよく使われる言葉ですが、ネットワークと言うと組織と受け止められている向きもありますが、ネットワークは面識です。
これは、フットワークの足し算です。ひとつひとつの団体に出会って、その中からネットワークという関係ができてくる、何かのとにきそれが広がる、そんなものです。 大阪狭山にそうゆう関係どうつくるかが大切です。
運営のスタッフに、いろいろな大阪狭山でがんばっている団体が参加するって仕掛け何か考えられているのですか?
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林田
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いまからですが、一生懸命歩いているところです。
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早瀬
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行政の職員との協働はこれから重要ですが、行政の方が出向されている関係はあるのですか? 大阪ボランティアセンターには、今、佐賀県と三重県から職員の方が出向でこられ中間支援センターの仕事を学んでおられます。
スタッフの研修のことで今お考えになっていることはありますか?
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市長
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スタッフとの交流は、市民協働と言う担当部署があります。密接な関係で進めてきましたし、これからもそうですが、市役所内部では、市民協働に移行できる事業は、かねてから見直しをかけています。
市民協働が中心になって、直営でなく協働でできることを別の部署とヒヤリングを重ねながら進めています。
情報を市民活動支援センターに行政から提供することによって、ここにくれば行政との協働の情報が仕入れられる、ひとつには、市民公益活動補助金がありますが、そのような情報も市民活動支援センターを中心にしていきますので、そのような情報は、この支援センターを通じて市民に発信しています。
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早瀬
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大阪府でも、大阪ボランティア協会を通じていますが、そのような拠点になればいいですね。大阪府の活動はかなり早い時期から進んでいます。 たとえばコミュニティ・ビジネスの支援なども、兵庫県神戸市が一番早かったのですが、いまでは施策の規模やレベルでは大阪府が兵庫県を抜いています。
そのようにレベルが高いのですが、行政とNPOの協働を評価するシートを去年つくりました。 これは、お互いに評価します。委託を受けたNPO団体は担当の部局を評価し、行政はNPOを評価するシートを作っています。 それをお互い交換して意見交換します。 このような情報を共有されるといいと思います。
最後に、林田所長と市長にこれからの抱負と期待を一言。
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林田
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冒頭から先生のリードでお話が進み、市長から我々に対する期待を述べられましたが、まだまだ新米ですが、これから一所懸命頑張っていこうと思います。
市民活動をなさっておられる団体や個人と集まる拠点だけでなく、これから現在働いておられる方も、センターに立ち寄っていただけるような場所にしたいので、ぜひ市民のみなさま、遠慮なく立ち寄っていただく、我々も情報を溜め、発信していこうと思っています。
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市長
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ぜひそのようなセンターにしていただきたいと思います。 市民の方々が市民活動に意識をもっていただき、またその活動をしていただく、それを導いてゆく過程が、生涯学習だと思います。
大阪狭山市民が生涯学習を通じて地域で、地域の人たちを支えてゆく、そして、支えている人たちも元気で地域で活躍できるわけですから、大阪狭山市全体の元気、活気につながるものと思っております。
その意味でもこの市民活動支援センターが、市民の生涯学習の支えになり、一人でも多くの市民が意識をもち機会を持つ活動を積極的に展開して欲しいと思います。 先ほど早瀬先生が仰ったフットワークの足し算、実際「熟いき」の人たちは足であちこちで歩いて、いろいろな人たちに声をかけて、この拠点のことを話しておられます。 その点では大いに期待しています。
市民活動支援センターと市役所が仕事を半分半分する、それ以上の勢いで大阪狭山市民の生活を支える、市民活動支援センターの拠点づくりとなることを期待しています。
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早瀬
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移転したオープン記念にお招きいただきありがとうございました。
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