市民活動支援センタ-事業
平成24年度第2回市民活動支援セミナー


新しい公共を担う「まちづくり円卓会議」の役割
〜人々が支えあいながら幸せに暮らせる地域の創造のために

講師


近畿大学総合社会学部教授 
久 隆浩氏

司会&コーディネーター
大阪狭山市市民活動支援センター所長 白井 隆



日時
平成24年9月29日(土)  9時30〜10時55分
場所
SAYAKAホール 大会議室

参加者    まち大期受講生 22名, 
市会議員 3名
円卓会議関係者 19名
まちづくり研究会関係者 8名
市役所関係者 11名
スタッフ 10名
合計参加者 61名 

     
講演要旨掲載
講師未見承

講演要旨                

9:35
冒頭司会者のご案内のとおり、実は本日急遽大学で会合のため、11時前までには今からのお話をまとめたい。

その理由は、広島で大学生ボストンバック事件があったことはご承知のとおり、あのようなことがあると大学も大変であり、一人の大学生のために私の大学でも対処しなければならなくなり、皆さんにはご迷惑をおかけすることになった。

そんな訳で、円卓会議のご関係者も大勢参加されておられるが、ご諮問・お声かけがあれば別途お願いしたい。 そこで早速本題にはいることとする。

今日は円卓会議がテーマ。 狭山でも今まで何度かお話した。 本日も円卓中心に近い話しに絞るが、円卓の現状の認識を把握せず話しを展開するので、ご異議があればご指摘をお願いしたい。

今日の柱の一つは、円卓の位置づけである。 円卓立ち上げには行政とも関わったが、どういう位置づけなのかこの辺がまだはっきりしてない点もある。 従ってそこら辺も整理しながら方向性をより明確化できたらと思う。

1.ネットワーク社会


今日の最初のお話しはネットワーク社会のことである。
50年来ここ数年、ネットワーク社会が従来の動きとかなり異なってきている点をご認識いただきたい。 その上で地域の動かし方をどうするかを考えられるか否かが、これからのネットワーク社会に向けた市民・地域活動のあり方を考えるポイントであろう。

今日は一番最後に、私が関わっているネット型活動具体例のご紹介をするが、年代的にいうと20代〜30代の方々がインターネットなどを多用してこのネットワーク型活動を得意としている。 またそのツールをフルに使いながら活動を展開しているのが実情。 この点を今日お持ち帰り願って、フットワークの軽い若い世代をどう捉え提携したらいいかの具体的お話をするので参考にしていただきたい。 

円卓会議は、その動きがキッカケになるだろうと私は考えている。 ここまでがまえふり。

さて、ネットワーク社会の活動をしておられる方は、フットワークが軽く・・・つまり合意形成などはあまり重視せず、自分達のやりたいことをやりたい方法で展開しているのである。

ただ一つだけ彼らにお願いするのは、まわりの人に迷惑をかけないことが大切。 いろいろな動きを地域で増やしていくのは決して悪いことでない。 彼らのつながりは共感であり、組織を前提としないことである。

他方今までのまちづくりを考えると、大概、合意形成をしながらまちづくりをしていくことが多い。 そのためにもしっかりした組織が必要とされていたのである。

合意形成が必要であるか否かを、しっかり整理すると案外楽になる。 厳格な合意形成が必要でない具体例を家族の成り立ちで晩菜の献立を引用(笑い)。 

そうなると、厳格な合意形成とそうでない部分を上手に使い分けすることが必要である。
ネットワーク活動は、あまり厳格な合意形成を必要しない活動なので自分のお金で遊ぶカラオケと一緒。 だから文句の出ようがない。 しかし他人様のお金を使う場合は、出資者にキチンと説明できるようにしなければならない。

円卓会議fでは事業をする場合、市の税金が使われているのである。 そのためには合意形成が求められるのは当然である。  自治会で自治会費を使ってなにかする場合も、他人様のお金、厳格な説明責任がある。 

最近は、自分達がお金を出し合ってする活動が、地域のためになっている例が多いのである。 つまり自律的で他人のお金でない。

まち大でも話した内容だが、ネットワーク型活動と組織型活動の違いを表にしたもので、その違いを明確にしておきたい。 これは朴氏のネットワーク論から拝借したものである。

ネットワーク型には6つの構成項目がある。
中枢性格
★構成員全員が自律的に振舞うことができること⇒周りのいとに迷惑のかからぬ自律性
★目的・価値を共有、共感している人々が自主的に関わっていること
★上下関係のない水平な構造を持ち、分権化を指向するシステムであること
周辺性格
★誰もがいつでも参加したり脱退できるオープン性を供えていること⇒オープン性
★ネット枠の硬直化を防ぐために、メンバーは各種のネットワークに重複してさんかしていること。
★さまざまな価値観や考え方を許容するために、余裕⇒冗長性をもっていること


中枢性格
★他律性
★与えられた目的
★集権性
周辺性格
★クローズド/オープン性
★メンバーの固定性
★効率性

を特徴としているのである。 決して悪いことではない。 
ヒエラルキー方の特徴は効率せいであろう。 活動の展開も速い。

もっとわかりやすく言えば、
直ぐに答えを出すときは、ヒエラルキー型(階層型)、
ゆったりした活動には、ネットワーク型が有効であり、これから益々このネットワーク型が増えるだろう。 

この整理の上にたって、円卓会議の位置づけを考えたい。

2. まちづくり円卓会議の位置づけ

税金で事を運ぶときは、厳格な合意形成が必要。 後は、ネット型で動けるし、ネット型になっているはずである。

円卓会議において税の執行に於ける事業は、厳格な合意形成が必要であり、あとはネットワーク型で動けていけるし、動けるだろうと思う。 事業を提案して認定されると予算がつく。 この手続きには、しっかりとした合意形成が必要である。 ここが円卓会議の動き方を大きく関わってくるものであろう。

お金をつける際の、組織を動かすための組織助成なのか、活動を展開すための事業・活動助成金なのかの整理も必要。

円卓会議から生まれたネットワーク型活動が、手を上げて市民活動助成を活用する二段構えもありうることである。 

全国で地域の人が決めてお金の使い方を決定するケースが多くが、殆どのところがグレーゾーン。 合意形成に名古屋の場合は、選挙で選ばれた方が過半数。 残りが団体から選ばれた委員で構成。 但し選挙の場合でも1%の投票率。 まちづくり円卓会議の場合、法に準じているか不明。 そのためには条例化が必要では・・・ 

そんな硬いことを言われるくらいなら、自分の金で愉しく動いた方が楽であると言いたい。

もう一つの整理は市役所の方にも関連する。 それは一般予算を使った公共事業と、円卓会議から提案された事業の関係の整合性である。

街路灯の設置は、自治会の費用で取替えか、市役所の予算での設置かの問題例がそれである。  同じ街路灯の取り扱いで、市役所では時間がかかる。 自分達の費用なら直ぐ整備される。 福祉の問題も然り。 困ったひとには即座に一般予算からの執行。 地域予算では馴染まない予算がある。 その線引きをキチンと説明されている例を見たことがない。  

これらの整理を踏まえ、次にまちづくり円卓会議の目的を4つ提示する。

@ 多くの市民に身近なところから、まちづくりに主体的に関わる市民自治への契機づくり(合意形成+ネットワーク)。
Aより市民ニーズに即した事業選択
B地域内コミュニティの醸成は市民協働の推進
C地域内での活動する各種だんたいの連携促進(NetWork)


地域主権や地域分権ということで、行政から権限が来るということは、責任も来ることになる。 円卓はその責任に耐えるだけのことになっていかなければならない。 これは凄い重いことである。 その覚悟ができれば、権限を頂くことはいいことである。 この辺りがかなり慎重にもっていかねばならぬところでなかろうか。

それでは、そろそろ将来の狭山の円卓会議に役立ちそうな話題に移り、具体事例も交えてお話する。

3. ネットワークと組織の組み合わせ

ネット型活動と組織型とどういう役割分担の形で組み合わせたらいいのか・・・その例。

★堺市南区の例
  会長が地区の運動会などの行事をやめると宣言。
  自治会は運動会はしないが、したい人が実行委員として企画運営したらいい。 
  役員は自治会運営だけに専念⇒負担減。
  各種行事は実行委員会が自ら企画実践。
  自治会の役員も分担して実行委員会のメンバーになる
  やりたいことをやりたい人がする場面と全体の運営を切り分けた組織。
 
★神戸市須磨区の例
  ここもよく似たケースだがこちらは、普段の地域活動を部会かして活動。
  例福祉部会⇒メンバー活動を担う。
  部会員は一年限りの人気。 2月に募集。
      任期は一年だが継続可(活動の柔軟性)。
  部会形式で、やりたい活動を部会員になって行う形式。
  
両方ともネットワークの原則を形にしたものであることにご留意願いたい。
お金を渡す側の役員会のしっかりした組織は従来の役員会。
しっかりした組織運営と、自発的な活動運営の展開とを組み合わせている事例である。 ここがポイントかな・・・と思うところである。

ただ心配される点は、誰が実行委員会を担うのかだろう。 その場合は呼びかけ。 だれも集まらなければ、割り当て方式をとればよい。 どこかで手を上げる人があれば儲けものと考えて呼びかければよい。 

★河内長野の例⇒まちづくり交流会+自発的な活動展開(まちづくり協議会)
上記二つの仕組みが動いている。
●まちづくり交流会⇒井戸端会議。 ここで何かを決めるわけでもない月に1回2時間いろいろな話をして帰る会。
●まちづくり協議会⇒様々な団体をつなぎ、地域を一つに行こうとする組織。
狭山との違いは、河内長野は連合自治会が極めて少ない。狭山のように校区で一つとなる組織体となるところが少ないことである。 まちずくり協議会は、そのような全体の組織をしっかりとつないでいるのである。  

共感とつながりを生む交流会の役割と協議会の役割が異なっているが、交流会は協議会を盛り上げる両輪である。 円卓会議はどちらの形だろうか・・わいわいのキッカケか、円卓で決めてしっかり動いていく組織体なのか・・・ここが整理をする必要のあるところでないかと思っている。 私が関わっている井戸端会議は、30を越しており効果を発揮しているので参考にして欲しい。。 

4. ネットワーク活動の事例
最後に具体的ネットワーク活動の二つの事例を紹介する。

最近は奈良の郡山が元気。特に20代〜30代がいろいろな行事活動で活発である。
★大和郡山⇒「にぎわっ茶会」という井戸端会議から出発。ここで提案され有志が動かしている。 しかし最初は雰囲気悪かった。 市役所は何もしてくれない・・との意見から、この2年間、フットワークの軽い若者が、金魚で有名な「テレ金」を始めた。 廃棄の電話ボックスを金魚鉢に見立てて巡回設置した。 今年は一週間大金魚博覧会を開いた。
金魚すくいの全国名人段位の選手権。 ついでに金魚にまつわるアートも展示した。
全て実行委員会の活動。 展示に借りた建物は、昔の遊郭。耐震診断では不合格。従って数年ほったらかされた建物の利用に、建物に入るのに誓約書のノート記載を実行委員が発案。 さらに誇りだらけの建物の活用に、ネットで大掃除ボランティアを募集。
11月にはこの旧遊郭で、現代アートを持ち込む、「花+なら+Art=HANARART」を推進する。 

若い人達が面白い。 彼らを巻き込む一つは、口をださず任せることである。 凄い力を発揮する。  社会経験が乏しく危ないこともあるが、問題が起こる直前まで口出ししないことがコツ。 やる気を失せないように上手く誘導することがヒントである。

最後に都島の事例も紹介する。
都島区.com (←Click)
これはホームページの名前も兼ねたグループ名。
都島区内でおこなわれている活動が全て網羅されている。
市役所は無関係、女性の方が一人で情報を集めて発信している。

都島在住の320の主婦の目で店舗企画提案やポスティングもしているネットワーク活動。

さらに都島.TVでは、U Streamでテレビ中継をしている。 都島区政会議を同時中継した。 すると区役所のFacebookに即座に書き込み。  まちづくりに関心ある20代の若い子育て中主婦が、区政に参加できないが、同時中継で自分の意見を発信できる。 このようなインターネットを活用すれば、いろいろな方々を巻き込め、いろいろな意見がもらえる社会が今ここにあることがわかってきた。

このように面白い試みが、20代30代の方を中心にした凄いネットワーク型の活動で行われているのである。 U Streamなどは殆どお金はかからない。 このようにお金のかからに部分で若い人達が上手く工夫をしながらやって居られる事例である。

このような試みを参考にしていただきたい。
今までと違った呼びかけをすると、今までと違った方々も必ず参加してくれるようになるだろう。 

従来のしっかりした活動と、融通無碍のノリノリのネットワーク型活動を上手く組み合わせていただければいいかなと思う次第である。
10:55




                                
  
大阪狭山市市民活動支援センター
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