平成20年度市民活動支援センタ-事業
〜第3回 市民活動セミナー〜
市民自治を学ぶ〜自治会は変革する〜
平成21年2月6日(金) 
午前9時30分〜11時00分
於 SAYAKAホール L会議室

講師

神戸西神ニュータウン自治会長、地域共生研究所長
絹川 正明氏

セミナーでの配布資料
 (レジュメはをクリックしてダウンロードしてください

講演要旨

私の住んでいるところは、神戸の西神ニュータウン。 

人口は大阪狭山とほぼ同じ。 しかし、西神ニュータウンのある西区は23万、神戸市全体では約250万である。 

従って地域でなにかしようとする場合、せいぜい3万〜5万程度の規模が適当。 

住民と市長に近い行政として、大阪狭山市のような届きやすい市に住んでいる皆さんは、250万の神戸市と比べると自分たちの住民の思いが行政に伝わり実現し易いようでうらやましい気持ちだ。(9:40)

本日の資料は2種類用意したが、市民自治を学ぶ〜自治会は変革する〜のP1 1.に本日問題提起をしたい事柄が4行ほどあるのでまずご覧いただきたい。(9:50)

社会は、個々の地域コミュニティの集合である。 地域での活動を通じて、日本社会の抱えるさまざまな問題・課題を垣間見るることができる。 

地域が住民自治力を付けることで、日本社会が活力を取り戻す。 しかし、上意下達のコミュニティ政策、地域団体同士の離反、地域民主制の不在、地域情報に対する認識不足、NPOとの距離など地域社会自治体が多くの困難を抱えている。 ではそれをどうするかであるかということになる。

この資料で大阪狭山市と神戸市を比較した資料で説明すると、少子・高齢化人口では、18.9%で神戸市や全国平均と比べても大阪狭山市のそれはニュ-タウンの高齢化率よりはややまし。 少子化率で言うと、14.6%で全国の子供さんの人口率より少し多いので理想的な現状。

では、先を飛ばして2Pの大阪狭山市と神戸市のコミュニティ政策の違いを見てみる。
この両者には驚くべき違いがある。

まず自治会・住宅会の登録だが、当市は行政への登録が義務付けれいるのに対し神戸市ではそれがない。 つまり当市は行政が自治会と深いつながりをもつ市町村(典型例は横浜市)と言えよう。

自治会などへの支援の点になると、地域力活性化支援補助・地区集会所建設補助など大阪狭山市は凄い。 手厚い助成である。 神戸では全くそれはない。



一番大きな違いは、行政系地域団体である。神戸市は断然多い。だがしかし課題は、それぞれの団体の内部活性化が進んでいるかどうかの点。 

行政の縦ラインは別としても、地域は横ラインが必要であり、そのために竹の台では、円卓会議を設立した。 狭山でも行政始動ながら円卓会議を通じての問題提議をしようとしていることは素晴らしい。 

何らかの行動に移す前に、我々の住んでいるその地域にどんな問題があり、どんなことで困っているかを浮き彫りにして次の行動に移ることが大事。 

円卓会議として行政から皆さんに投げられたボールをいかに上手に行政に投げ返すかが大事である。なんでもあり・・は当然あるので、これからの円卓会議でぜひやっていただきたい。

それではスライドだが「地域社会とは何か?」を解説する。(9:58)

広辞苑では、これを称して「一定の地域的範囲の上に、人々が住む環境基盤、地域の暮らし、地域の自治の仕組みを含んで成立している生活共同体」としている。 

またコミュニティとは、一定の地域に定住し、共属感情を持つ人々の集団で、地域社会とか共同体とも訳されているのがそれ。




次に、補完性の原則というのがある。 家庭でできないことは地域で、地域でできないことは市町村で、市町村でできないことは国で・・・それぞれが補完していくことが大切。 

しかし今は逆補完性の時代。 地域に対し行政から沢山の要請が来る。 これを我々は行政にたいして、意見を言って行かねばならない。  これだけは地域でやったから足らずは行政でやってくれ・・・ともっていくのがある意味での円卓会議の役目となろう。

ただこのような活動は、地域のボランティア貢献による訳だが、地域におけるシステム貢献のような仕組みを作っていかねばならない。 地域でコミュニティビジネス的なものを作っていって、地域で頑張り貢献する人に僅かであっても謝金が渡るような仕組みを作らねばならない。 

その例としては、老々介護が多いが、小・中学校区の重要の範囲で、296位まで出しなんとか300前後のアイデアに至る実現可能なアイデアをCBとして発掘している。 (数例を提示説明)


次に竹の台地区の活動例をスライドで説明する。
(10:14)
スライド順次説明のため下記、
解説の大意まとめのみ



竹の台地区の活動が始まったのは、縦割りの打破が合言葉。


通学路で見守り声かけをしながら同時に清掃活動もする。その帰りに独居老人を見舞う重層活動となる。。

その中でも大きな成果は、「まちの安全を見守るパトロール基地を小学校区に開設し、その場所を地域住民のクラブハウスのような形で情報発信とコミュニケーションの拠点に仕立てたことである。 

これにより住宅内の高齢者が地域デビューをし、さまざまな活動を担ってくれるようになったことが大変な成果。

パトロール基地が高齢者の居場所になっただけでなく、学生や現役のサラリーマンも気がるに参加できる素地ができた。

竹の台総合新聞」を広報誌として発刊したことも、地域の情報を住民が共有し、住民同士の理解を深めることの役立っている。 発行部数3500.。 1部26円のコストである。 さらに竹の台ホームページの運用も活発。 防犯・防災の情報を一斉に配信する機能をはたしている。(10:55)   

公報誌を「竹の台総合新聞」としたのは、より多くの地域団体を巻き込むべく、重層活動による「縦わり行政の打破」を目指すものだが、これが「竹の台円卓会議」となって、まさに行政の施策にたよらない、住民主体の地域づくりが進められていると言って過言でない。(11:05)

最後に言いたいことは、その国の姿を見ようと思えば、その地域を見ればわかる。 日本の国を見ようと思ったら、皆さんの中学校区に行ったらわかる。 それは大事なことである。 日本国がどうのこうのというのでなく、自分たちの地域を変えて、外から来た人に我々の地域はかくありなん、日本という国は狭山市のこんなことなんだ・・と示せるようになるべきであろう。

地域が変わることで、日本はきっと変わるはずであり、これは絶対可能であり、自分の軸足はあくまで竹の台に置いて活動していきたいと思っている。 

今の日本社会は、皆さんのように行政と地域の間に介在して、翻訳・通訳をする人があまりにも少なすぎるのが現状。 

まちづくり会議のみなさんはそういう大事な役割があるので、ぜひ日本社会のコミュニティに於ける社会の要請を行政に伝え、行政の様子を地域社会に伝える役目をして頂きたいと願って本日の話を終える。


大阪狭山市市民活動支援センター
пEFAX 072−366−4664