〜多数のご参加ありがとうございました〜

市民活動支援センター
ボランティア・インフォメーション・コーナー(VIC)
★開設記念シンポジウム関連記事のまとめ


ボランティアに期待するこれからのまちづくり
〜市民ボランティアの参加への意欲づけ〜



   VIC開設記念公開シンポジウムプログラム
市長挨拶 VICとは  講師基調講演  パネルディスカッション
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     本日の参加者内訳   来場者総数 90名(含スタッフ)
 各種団体関係  まちづくり研究会  円卓会議関連  一般  市役所関係
 30名  16名 4名   8名  21名



市長挨拶


VICの開設記念シンポジウムがこのように盛大に開かれることお慶び申し上げる。  

本日お集まりの皆さんは従来から活動しておられる方や、初めての方もおられるとお見受けする。

今朝も10時から、肌を刺すような冷たいなか狭山池の113回目クリーンアクションがあり100名ほどが集まった。 狭山池実行委員会の一部会だが毎月一回、今年で10年を迎える。

この池まつり実行委員会は、その他にも狭山池博物館の協働運営事業等にも広く参加されている。

先週15日には、狭山ニュータウンのハーティ―の地下にサロンみらいと言うコミュニティカフェがオープンした。 年齢を問わず地域の住民がそこに集まって交流や情報交換をして、皆で知り合おうとの目的で開かれたサロンのオープンである。  このカフェの運営は南中円卓会議の皆さん。

花いっぱい運動や地域の健康のための講演会や、ウォーキングなどの各種事業をされている。 

池まつりも南中円卓会議もボランティアである。 今までボランティアは大方は単体の活動だったが、この二つの事例は、一つの団体がいろいろなボランティア活動をしていて、組織でたくさんの人数の方々を動かしており、この他にも同じような団体がある。 ボランティア活動は本当に変わってきている。

経営とか組織の運営に近い理念でこなしていかないと、組織としての活動が成り立たなくなっている。

子供会や、婦人会活動の人数が減ってきている現状で、今まで大阪狭山市では行われていなかった各種テーマ型、地縁型の活動が活発になっている。 したがってボランティアの定義がどれに当てはまるか難しくなっている。

20年前のバブル崩壊による税収減で、これまでのように皆様方の要望にすべて行政がお応えすることが不可能となった。 地域でできることは地域で、自分でできることは自分でしていただかないと自治体が崩壊してしまう状態となった今、意識を変えて、少ない税を有効に使おうという取組があちこちで進んでいる。 

その中でも大阪狭山市は先頭を走っているとの意識をもっており、全国市長会で意見交換する中でも、当市は市民活動の分野ではかなり高いレベルと思っている。

今日はこれから小野先生のお話だが、先生もいろいろな地域活動をご存じなので、地域の活動について事例をお話いただきながら、新しい知識を大阪狭山市のまちづくりのために、参考にさせていただきたい。

このVICは、いままで分かれていた窓口を一体にとの思いで立ち上げていただいた。 市民がどこへ相談に行けばいいのか、窓口の一元化の体制をを整えた。 そして災害発生時のボランティアの受け入れる体制を整えていただきたい。

行政との連携あるいは市民活動との連携の扇の要に、このVICに役割を果たしていただこうと考えている。

小野先生の基調講演のあと、パネルディスカッションで、実際に活動なさっている皆さん方から状況をご報告いただくと聞いているので、明日からの活動の更なるパワーになることを願い、開設記念シンポジウムのお祝いの言葉とする。





基調講演要旨
 
講師未見承


レジメタイトルは、ボランティアではなくてボランタリー活動である。 ボランタリー活動とは何かという話をこれからする。 

今後VICが市内ボランティア情報を統一していくなかで、最後にみなさんに考えて欲しいのは、活動を進めていく上で何が一番大切であるかを一緒に考えてみたい・・・これが私の今日の基調講演の試みである。  

そのあとシンポジストの皆さんと、さあ、何が大切なのかを引き出し、みなさんからもご意見いただいて、この先VICが、BIGになっていくような形が描ければと思っている。

実は、私は個人的にはVICの情報の一元化より多元化論。 ボランティア活動は様々な窓口があってもいいし、いろいろな情報の形があっていいと思っている。 

しかし、先ほどの所長の話にもあったように、様々な発信源がVICの前提であるとのことだったので、その辺がどのように組み合わさっていくかが、大阪狭山モデルの今後を占うことになるのではなかろうか。

講師が千葉県銚子市から大阪で最初に出会った釜ヶ崎での印象が色のないまちであったとの強烈な印象談後・・・さてレジメにはいるが、

1ボランティア活動は今・・・・

ボランティア活動への関心は、広がり、多様化し、増加して全体的に高まっていることを肯定的に捉えるべきであろう。 直近のデータとしては正確な把握は難しいが、全国社会福祉協議会によれば(2004年)、ボランティア数700〜800万 約12.万3千団体である。 今はもっと多いはず。

私の地域福祉の関わりのなかでは、もう確実に地域での民間の活動は大きい。
例えば、2008年の「
これからの地域福祉の在り方に関する研究」報告書でも、公的なサービスだけでは対応できない、住民との協働として「新たな支え合い」の確立を目指すと示されている。

住民団体、ボランティア、NPOが担い手となって地域の生活課題を解決し、地域に新たな公の創出、つまり地域の問題に対する住民、ボランティア、NPOへの期待が高まり、行政との協働という新しい状況となっている。

では、ここから本題に入るが、
2.ボランティア活動のイメージ
を、みなさんはどう考えられるか、挙手による二択でその傾向をお聞きしたい。

1.奉仕活動の義務化               賛成65人  反対25人
2.自分のためのボランティア活動について   賛成60   反対20
3.ボランティア活動の有償化について       賛成60   反対20
        (助け合いの互酬を含む)
  
賛成の方が多いが、大阪狭山市のボランティア活動に関心のあるみなさんの今の現状であろう。 これによりどうのこうのはないが、それを踏まえ私が考えたいのは・・・

3.純粋型ボランティア活動とそのゆらぎである。 

実は先ほど一年間私が釜ヶ崎でボランティアしたとお話したが、厳密にいうと有償ボランティアだった。

ボランティアの定義を辞書でみると、「
現代社会で起こっている様々な問題や課題に対し、
@個人の自由な意思によって、
A金銭的対価を求めず、
B社会的貢献を行い
連帯を生み出そうとする人々をさす
」 とある。

この定義の純粋ボランティア活動の3つの要素は、
@自発性⇒やる気
A社会性⇒世直し
B無償性⇒手弁当
で、これが純粋型ボランティアだが、現実をみると皆さんの挙手の例のごとく、有償性や社会性についても現実では辞書レベルとの間に
ずれが出来てきていることがおわかりだろう。

これは大阪狭山が偏向しているのか??・・ではなく、結構今は、そういう時代になってきていることを前提として考えるべきであろう。 

それでは私たちの社会では、何を基準に考えていくかだが、
揺らいでいるボランティア活動の理念として、「純粋型」ボランティア活動と実態の違いに、ボランティアとしてゆらぎが生まれてきている現実傾向である。 

どちらが正しいのか?という考え方でなく、ボランティアのゆらぎを具体化したのが、ある意味では自然であるかもしれない。 ここのところがいろいろご議論されるところだろう。

じゃあ
4.なぜボランティアのゆらぎが生じてきたのか・・・

純粋型ボランティアの方も歴史性があって、先ほどの釜ヶ崎のボランティアの例でも、そういうことをできる人がある程度条件をもっていると言うことは、実はもっと多様性のある方がボランティアに入るには、・・・
ずれが生じてきているのが事実である。 

いままでボランティア活動と呼ばれていた@自発性A社会性B無償性により支えられてきたものが、いまはその枠のなかだけで考えると、かなりの違が生じてきていて、@ABの三点セットにこだわると、ちょっと考え方が狭くなるのではないかとのことである。

そこでこの視点を、すこし現代的にアレンジした考え方が出てくるのをボランタリー活動として捉えてみたい。

(時間が押しているので、無償性・非営利性と営利性の活動で、障害をもっている人の外出支援をしたら、謝金が出たが、これはボランティア活動か・・・などの例も面白いところだが、少しこの辺りを飛ばして)、4ページの 

7。ボランティア活動の新たな分節化・・とは何かをお話しする。

狭いボランティア概念から、より広いボランタリーの概念として、
↓図のように、

これまでは、自発性+社会性+無償性の三つの領域があったが、これを、
@自発性+社会性⇒有償活動(NPO・企業等)
A社会性+無償性⇒社会奉仕活動や小地域の福祉活動
B自発性+無償性⇒楽しみ活動やなかよしサークル
の@Aの二様態で考えると、もっと広い立場で活動できるのではないかとの発想である。 

このような区切りの分節化によると、今の社会にマッチングする新しい形態の広がりが出ると考える。

どれが上位というわけではないが、これらは、いまの社会のありように対し、新たな価値を生み出す可能性がある。

ではまとめ的なことと、重要なことだが、

8.ボランタリー活動で重要なことは何か?

有償でも無償でも、また自発性があってもなくても、あるいは社会性があってもいいしなくてもいい・・・ということになれば、ボランタリー活動をつなぐものは何であろうか? これからの大阪狭山の活動では、何を大切にしたらいいのか?に対し、関わってくるのが、ハーバーマスのいう「
生活世界の視座」がKeywordではないだろうか。

私たちの地域社会は二つに分かれている。

 システム    生活世界
市場や行政のサービス
商店、行政窓口
病院、職場、交通

お金や権力によって
便利な生活が可能
  家族や地域社会
友人、知人
様々な人々

話し合いによって
了解と合意をつくる世界 

システムが発達すると、近代社会が膨らんでくる便利な社会。 そこでどうなるかというと、生活世界がどんどん狭くなり抑制される。 つまり隣の人と付き合わなくても生活できるという世界になる。 

だからこそ生活世界が重要であって、そこの願いなどを活動に反映させていくことが一番重要なのではないか・・・そこに原点を置いていきたいな・・・というのが今日の私の基調講演の考察で、もう一度ボランティア活動、VICの活動にせよ、みなさんが取り組んでいる活動にせよ、お互いが考え合い、出し合ってそこから活動を作っていくのがいいのだと思う。

誰かに言われたからするのでなく、
自分たちの為にもなるので活動する・・というレベルにならないと、システムのための活動なのか、生活世界のための活動なのかで、生まれてくるものの結果、目指すものが本当に違いますよ・・・というのが分っていただけたら正解で、これが今日の結論である。






VICとは

市民活動支援センター所長
白井 隆

VIC開設の目的は、市内のボランティアに関する各種情報の一元化を図りボランティア活動の活性化促進に寄与することであるとスタッフ一同認識し、必要な体制づくりに取り組んでいるところです。

VIC昨年の7に市民活動支援センター内に、新しいコーナーとしてスタートしています。

従来からの市民活動支援機能に、これからご紹介しますVICという機能を加えてより多くの市民の皆さまに、ボランティア活動への参画意欲を高めていただくための活動力を強めていくことが課せられた役割であると受け止め準備に力を注ぎつつあります。

皆さまご推察の通り、ボランティア活動の特性である「自発性」「社会性」「無償性」を活かしながらのボランティア活動の活性化や、仲介・斡旋を推進するという役割を果たすためには以外に多くの解決すべき課題があり、一筋縄ではいかないようです。

自治体という大きな単位で推進している前例もあまり見当たりません。 

が、これからの地域主権時代に備えた市民ボランティアの活性化対策としては価値ある試みであると考え挑戦を開始しています。

今日のシンポジウムでの皆さまからのご希望や、ご要望を受け止めこれを糧にシッカリと立ち上がって参りたいと考えています。よろしくお願いします。

VICのご紹介に入らせていただきます。

私ども市民活動支援センターの果たすべき役割は、一言で言って市民が公益的な活動を展開する際に不足する『人・物・金』に関する情報を的確に提供することであると考えています。

さて、VICが開設の目的を達成するために、新たに発揮すべき支援活動機能とは大きく別けて、次の三つです。

★一つ目は「ボランティア活動がしてみたい」と考える市民に「活動の場をご紹介・斡旋する」ことです。

★二つ目は「現在の活動を、もっと大きくするために増員したい」と考える団体やグループに「ボランティアでの参加希望者を紹介したり、斡旋する」ことです。

★三つ目は「ボランティア活動に必要ないろいろな情報が欲しい」という個人や、団体に「人、物、金」に関する情報を的確にご提供し、手に入れていただくためのお手伝いをすることです。

この三つの機能を、従来からの市民活動支援センター機能に加えて活動して参ります.。

左側は、従来からのセンターの支援機能です.

どちらかといえば、センター側で支援ニーズを一括で調査し、企画し、提供するというマスで捉えた能動的な支援活動です。

右側は、今回開設しましたVICの支援機能です.

市民、団体からの個別の支援要請に応えていこうとするもので、従来から推進中の能動的な支援とは対照的な受動型支援となります。

ただし、この支援機能を発揮するには個人および、団体のボランティアに関するニーズや、ボランティアに関するいろいろな情報をデーターベースとして蓄え、これを常に新鮮な情報に更新し、このデーターベースを活用する能力を高め、維持することが必要となります。

この活動がVIC運営のエンジンとなると同時に、従来からの能動的な支援活動との組み合わせにより、相乗的な支援効果が発揮できれば、VIC開設の意図が鮮やかになってくるのではと考えています。

VIC運営の前提となる情報の一元化で現状考えていることをお示ししています。

これから益々需要が高まる市民のボランティア活動のための総合窓口が出来れば、市民のボランティアへの参画意欲が高まるであろうと予想することに異を唱える方は少ないと思います。

ですが、現行分散しているボランティア情報を集約して、一元化して活用することの困難さも予想以上に大きなものです。

VICでは、当面一元化すべき対象のボランティア情報はこの図のように所在しているのではと考えています。

今後、これらの分散した当該ボランティアの専門分野窓口と、ご相談しながら連携を密にして、情報を交流しながら『情報の共有化』を目指します。

自転車の車輪でたとえれば、VICは「ハブ」であり、現状の専門分野として分散するボランティア情報窓口という車輪全体に動力を送り込む大きな役割を担うことになり、この役割を充分に果たすための準備に相当な時間が必要であると計画しています。

なぜ、そんなに時間を要するのかと不審に思われるかもしれませんが、答えは「ボランティアに関する最新情報ファイルの中身の充実度に比例してVIC効果が表れると考えるからです」

具体的には最低必要と考えられる「500人以上のボランティア参加希望者情報」「100団体以上からのボランティア要員募集情報」の確保と、「当該ボランティアの専門分野窓口との連携体制づくり」に要する時間は大きいと予想されます。

この時間を短縮しつつ、個人と団体とのマッチング個数を高めていく活動が、これからのVICの最大の役目となると考えています

個人登録を体験していただこうと、本日ご参加の皆さまのお名前、住所等をプレ印刷した申込書をお配りしています。 是非個人の情報登録にご協力いただきますようお願いします。


VIC推進に必要な役割(窓口)


表に示す通り、当面は9つの窓口機能が必要と考えています。

これらの役割機能は従来からの支援センターにもありましたが、これとの違いは従来型は「支援センター内で完結」することを目的にした窓口であったのに対して、VICでは、該当するボランティア分野窓口として専門性の高い部門との連携で、支援役割を果たしていこうとするものです。

この9つの窓口機能を充分に発揮できるスタッフの配置のための準備を進めつつあります。

必要なスタッフの日常活動と、これを可能とするパソコンによる各種のデーターベースシステムづくりに取り組んでいます。

一元化スケジュール(省略

ボランティア関連情報の一元化推進にあたっての課題と対策

課題1 ボランティアの総合窓口運営のベースづくり

          ボランティアに関する最新情報の収集ルートの確保 

          現行分散窓口との役割分担、棲み分けを明確にしておくことが必要

課題2 VICに期待される支援機能のメインはボランティアの需給調整

          市民団体等からのボランティア需要の多くは「意欲的」「有資格」「若年層」

          供給できるボランティア人材の発掘・開発方法に工夫が必要

課題3 個人情報保護規程の順守

          個人情報の取り扱いは、市の規程に準拠して →一元化対象情報の大半は市関係

    VICで扱う個人情報は「登録・使用共に本人の事前承認が前提」
 

課題4 既存のセンター業務にVIC機能を加えた中間支援機能を発揮して

          早期に、市民のための利便性を高め、ボランティアの活性化につなげるためには→当面のセンター活動として優先すべき注力点は何か? 

本日のシンポジウムから学ばせていただきたいと思っています。  




パネルディスカッション

 Coordinator 大阪府立大学人間社会学部准教授     小野 達也氏
 Panellist 狭山池まつり実行委員会会長      
 武田 博充氏 
 Panellist 大阪府市町村ボランティア連絡会会長   井上健太郎氏 
 Panellist
大阪狭山市立南中校区地域コミュニティ
円卓会議事務局長
 川竹 了

パネルディスカッションの進め方としては、まず最初にお三方にそれぞれ10分程度の発題をいただき、それをお聞きした上で私の方から何等かのご質問など補足的にお話し、どんな活動をされ大体のお考え方が見えてきたら、後半には、皆さんの方からもご意見をいただきながら、今日のテーマ、あるいは今後のVICについての内容を深めていけるようご発言の方をよろしくお願いしたい。

そしてボランティアにとって何が大切で、これからの活動の上でどいうものを大切に考えていけばいいのかを、一つでも二つでも参考にできればと思う。


★ まず武田さんから、今活動されていることや、ボランティア活動に関することなどお話ください。


根が単純なので、いろいろボランティア活動をしても、深く考えてすることがなかったので、先生の今のお話を熱く伺った。 私はボランティアは楽しくなければならぬと思っている。

ボランティアは各分野で多岐にわたり活動内容が異なってくる。 それぞれに活動の理念と目的をはっきりもっておられると思う。 確固たる信念をもってボランティアをおやりになっている。

狭山池まつり実行委員会では実行委員170名が、郷土の誇りである狭山池や、1400年の狭山池の歴史をもっと市民や子どもたちに知ってもらう・・そして人と人を通じてまちづくりや、市民活動に貢献しようとの理念をもって170名が動いている。 また貴重な姫ボタルを絶滅から守り、次世代に引き継ごうとの理念を持って活動している。 

その目的や使命感を達成したときに慶びを感じるのである。 そんな時にこそ、皆さんボランティアは楽しいと思われるのではなかろうか。 またボランティアに参加することにより、多くの人との出会いがあり、その出会いの数だけ友人が増える・・・これも一つの大きな楽しみでもある。

またボランティアを受け入れる側も、目的や理念、使命感をはっきりお話して、活動の終わりに満足感、達成感、充実感を味わってもらえれば、次につながっていけるのではなかろうかと思う。

池祭りの2日間で、900人のボランティアに参加してもらっている。 このなかに多くの団体参加があるが、市民活動支援センターでまとめて貰っている団体数は270ある。 人口58000人で270団体。 単純にその参加人数を足すと10000人ほどになる。 気になるので隣の河内長野市に問い合わせたら、人口12万人で市民公益活動センターへの登録は103団体だった。 これをみてもいかに狭山の市民活動が盛んであるか分る。

池まつり実行委員会は、この登録されている団体に事前に声を掛け多くの団体の参加をえているし、また各学校が地域とのふれあいの観点からボランティアに参加せよと呼びかけていただき、昨年の池まつりにも、狭山高校130名、帝塚山大学30、ホンダ学園30、近畿大学20、その他うどいなど合計210人の学生参加があった。  池まつり900人のボランティアうち4分の1が若い人で支えられたいへんうれしい結果だった。

これらの参加者をどうして集めているかだが、それは今のところ人と人のつながりでしかない。 どこの団体だどこでどんな活動をしているかなかなかわからない。 その意味でも、今回VICの旗揚げに大きく期待するものであり、さやまの活動がおおきくなっていく一つのきっかけになるのではないかと思う。

★ 今のお話で、ボランティアは楽しくあれ、達成感や充実感、それに、こんなに大勢の人を集めるのは人と人との繋がりなど、明快なお話であった。 では次に、井上さんお願いします。

大阪府市町村ボランティア連絡会の会長職を通じ、府内北摂から南まで広い地域の活動では、どこをみても大阪狭山のボランティア活動が活発であることを改めて認識する。

それぞれが船長みたいなグループが寄せ集まって、いろいろな活動をされているのが印象的で、余所では上からのお願いに応じた活動が多い。 折り紙や手話などいろいろなグループが寄せ集まって活動していこうとしているのが大阪狭山のボランティアグループ連絡会の特徴である。 このような動きを大阪府市町村にも反映させている。

しかし、システム的にやると心が枯れる・・・組織を一所懸命に作ろうと思うとその分だけやろうかなとする心が枯れていくを見ているのであまりシステム的にしない方法を考えていかねばならぬのではなかろうか。 VICという新しいシステムを作ると変なところで心が枯れないだろうか・・この辺りを大事にしなければならないと感じている。

大阪府市町村ボランティア連絡会でも、この2年くらい「ボランティアのあり方そのものを考えよう」との考え方に変わってきている。 いまでの防災とかバリアフリー主体の考えの時代に対し、ボランティアのあり方そのものへの分岐点に来ている。

他の市町村でも、市民公益活動支援センターと福祉センターのボランティアグループとどういう風に住み分けるか、どうやって共同していくのか大きな課題になっている。

枚方では、三つの支援団体があり、先ほど先生が指摘された多元的に特化したやり方をしているところもある。 一元化での情報の扇の要も大事だが、さき端のところでは、それぞれの色があってもよく、大阪狭山ではこれだけ多岐にわたる活動があるのだから、システムでなく心が枯れぬよう色の異なるさまざまな活動を支えていかねばならぬのではないかと思う。  

私が20歳のときボランティア連絡会の一会員になり、いま42歳だがそれがベースで、大阪府市町村ボランティア連絡会の会長までやらせて頂いた。 

しかし、ふと後ろを振り返ると、地元のボランティア連絡会に20歳代の人が育っていない。 ほんとは30代40代の人たちもつながってこの会を支えていきたいのだが、現役の職場にいる人には、平日の会議は無理と断られるのが現状。  しかしその中でレクリエーション協会などは青少年を通じ、各学年を通じた少数の息吹もある。 この子たちが将来の大阪狭山を支えていくのかなとの実感のなかで活動している。

新幹線は恰好よい。 でもそれ故にローカル線が消えてはだめである。 それぞれの立場がある。 それぞれの心のつながりがなくてはならないと思う。

★あとで内容的に少し補足したいところもありますが、次に川竹さんお願いします


南中円卓会議の事務局長をしており、本日の参加者の中にも円卓関係者がおられる。

私からは、すこしボランティアについての私見を述べさせていただく。 円卓会議をやって難しいのは、やはりそれぞれ地域コミュニティへの考え方が違い多種多様であること。 そのなかで、地域住民によるまちづくりという市民自治をを実際に実現していくにいろいろな問題があり難しさを感じている。 このことは、一つにはボランティアに踏み入れた時の背景にあるのではないかと思う。 

私としては二つの理由がある。 現役時代は大阪狭山市は寝に帰るだけの生活が35年くらい続いた。 その間仕事ができたのは、安心安全の大阪狭山市のお蔭げ。
仕事を辞めたら、地域への恩返しをと考えて自治会の役員になった。 

他の理由は男性に共通する苦手の家事粗大ごみ的取扱いからの逃避。 現役キャリアーの無視は、耐えられない。 そのキャリアーを活かす場として、ボランティア活動にその解決策があるのではないかと、自治会や円卓会議のお手伝いが一挙両得と考えた。 これは先ほど先生のご指摘のボランティア活動の多様性のことを聞き納得した。

このように、多くの方が円卓会議に入って活動されるときに、それぞれ何をするかの考え方のベースの温度差によって、活動の目的やターゲットが異なってくると感じている。

南中円卓会議では、15の自治体が参加しており、校区では約1万1千人を抱えている。 
そのなかで、立ち上げの準備委員会から、地域によるまちづくりのボランティア活動をするに当たり、自分を活かしていくのは何であるか? また、地域の為には何ができるか? が問われるわけだが、そのなかで、地域コミュニティが活かされたまちづくり、安心安全のまちづくり、福祉高齢者に向けたまちづくり、環境に配慮したまちづくりのビジョンを決めてそれに沿った活動をしている。  

円卓会議役員の大半がが自治会の会長さんで、地域のまちずくりを考えてこられた方ばかり。 そういう意味での方向性は合っているではないかと思う。

理事役員がいろいろなまちづくりを考える一方、実行する実行部隊の充実が求められている。 私たちの場合6つの部会、実際には4つの部会が実動している。 ところが部会に入っているボランティアの数が活動を満たす十分な員数でない。

私がVICに期待するのは、目的別のニーズに対し一緒にやってくれるボランティアを紹介してほしいし、また、送り込んでいただきたいとの思いが募る。

基本的には、先生の基調講演にもあったが、自分のためにボランティアする発想が必要っであろうと思っており、そのなかで自ら活動に参加する意義と目標を明確にしたうえで、楽しみながらボランティアをして良かったと思うような活動が必要だし、そのことをできるだけ長く継続させることが大切と思う。

VIC対する期待はたくさんあるが時間が来たのでこの辺りで終える。


★お三方の視点がでた。 川竹さんのボランティアは自分のためにすることや、ボランティアに至る背景のご説明、、それにVICに対する期待もお聞きした。 井上さんからは、システム的と心が枯れる問題、若い世代に対するメッセージ、それに今のグループに対する危機感とその立て直しの問題をお聞きした。 武田さんからは、それだけ大きな人を動かす実績のすごさに驚くとともに、ボランティアは楽しくなければならぬというボランティア感も印象的だった。

ここで言い忘れたことや、VICへの期待、それに私の講演内容についてなど、ワンメッセージづつ再度お聞きしたい。

●川竹⇒周囲には無関心者が多い。 このような方へのキッカケを頂くにはVICは恰好の存在。 しかし登録したい人はすでにその意思があるのだから、そうでない人をいかにボランティア活動に引き込むかが課題だろう。 円卓ではカフェを開いたが、来られる方に私たちから、まちづくりへの参加のキッカケを働きかけるべきと思う。 若いひとへの世代交代のキッカケをVICにお願いしたい。

●井上⇒心が枯れる問題だが、シルバーシートや母の日の設定のシステムが実際には有効活用されていないのが、心が枯れている実態。 見守り活動の児童に対する声かけが、子どもに心を植えるキッカケではなかろうか。 VICへの期待は、まず一元化だろうが、ブログを含みインターネットでのつながりのように、いつの間にか社会福祉協議会や公民館ともつながっているようなキッカケづくりとしてVICがど〜んと立ち上がって、こんなことを一緒にやりませんかと投げ返す作業を次のステップでやってもらいたい。

●武田⇒旦那をなんとかできないかなど、団塊の世代の定年退職についても相談を受ける。 そんな場合、支援活動支援センターが発行した「しみんのちから」を渡して参考にして貰っている。  旦那が家にいると活発に活動していた女性が夕食の支度などで活動できなくなる。 これが問題。 VICがこのような現象のボランティア情報をいかにシリアスに処理するか・・・も大切な要素と思っている。

★いろいろなご意見が出た。
ここで白井氏にVICを代表してパネリストの中に入ってお話をおききする。

白井⇒人、物、金を提供するといえ、やはりまちづくりは、人づくりである。 
まちづくりはひとづくりであるとの考え方でいきたい。 教育委員会、福祉委員会、円卓会議等でそれぞれの活動するボランティア、人集めを現在やっておられるが、これはそれぞれの部門がやっておられる本来の活動でない。 それぞれの部門では人が集まってくれば、どうすればいいかを考えればいいのである。 

人を集めて提供するのはVICの役割。 人を育て集める局面はある程度VICにゆだねていただき、連携し合いながらやっていくことが大事。  我々の方は人を発掘する、開発することに全力を挙げていきたい。

具体的にいえば、まちづくり大学を運営して、まちづくり研究会で活動していただいた方をどんどん提供していく方向に注力したいと思うし、そういう役割が従来の大きなマスで捉えた形でなく、もう少しコンパクトに丁寧にお手伝いすることが本来のVICの役割であろうと考える。

独走する考えは毛頭ない。 それぞれのご活躍する部門とよく連携し合いながら、進めて参りたいと考えている。



★小野⇒一言だけ私のほうから発言すると、ほんとうに狭山は様々な活動が行われていて、いろいろな思いがあることが分かった。  やはり気になるのは、活動が発生していくときに、何を大切にしていくかだ。 

武田さんは信念、井上さんの場合は、心の枯れる問題、川竹さんの場合は、女性の視点など、何かをIdentifyすることが重要。 それが何であるかを活動家のみなさんがそれぞれ探していってほしい。本来なら生活世界の問題。 それを元気して行き、そのうえで生きやすい社会が出来ていけばいいなとの思いがした。

改めて活動の原点を考えさせられる今日の半日であった。VICの活動はこれから始まることになるが、その思いをぜひVICの中に込めていただき、どのような発展をしていくかみなさんが関わりながら育てていきたいとの思いを新たにする。 

今日のシンポジウムはこれで終了する。 みなさまありがとうございました。






大阪狭山市市民活動支援センター
ボランティア・インフォメーション・コーナー(VIC)
072-3666-4664